下手だから絵を描くのが楽しくない…
もともとは絵を描くのが好きで描いていたはずなのに、描けども描けども絵が上手くならない、上手い人と比べたときに圧倒的な画力の差を思い知らされる…
そんな思いから、いつしか絵を描くのが楽しくないとなってきている。
絵が下手だから楽しくない…
この想い、それは上手くなるために絶対に必要不可欠な思考。
楽しくないは必須思考!下手な絵を上達させるには
私も絵描きの端くれとして、今まで幾度となく自分の絵に絶望しては、完成したときの達成感、充実感が気持ちよくてなんとか10年以上続けてこられた絵描き人生。
冒頭で触れた
”絵が下手だから楽しくない…”
この想いがなぜ、上手い絵描きになるために必要な思考なのかをこれから説明していく。
あなたが思う絵が上手いなって思う人は誰?
私の中では、若い頃は、桂正和みたいなキレイな絵、バガボンド20巻くらいまでの井上雄彦の写実的でありながら感情も伝えられるような絵が好き。
みんな思う絵描きは違うけど、きっとそんな上手いと思われる人たちの多くは自分の絵に満足はしていないと思う。
自分の絵が下手に見えるメカニズム
私は漫画描きでもあるから、漫画で説明していく。
漫画の作業工程はこんな感じ。
プロット作成
↓↓↓
ネーム作成
↓↓↓
下描き
↓↓↓
ペン入れ
↓↓↓
仕上げ(トーン貼り、着色)
ネームを描き込むタイプの人はネームも含まれるが、私はネームは丸描いてチョンレベルしか描かない。
そのため、私が作品の中で本格的に絵を描いていくのは、下描きから。
作品全ページの下書き、ペン入れ、仕上げ(トーン貼りor着色)と何度も何度も自分の描いた絵を完成まで繰り返し見ていくことになる。
そうすると、新たに生まれた絵はどんどん目に慣れていくことになる。
目が慣れていくということはそれは普通の状態になってくるということ。
それで、見慣れた自分の絵には心が平静になってきて、下手だなと映ってしまう。
これは目の前にあるから主観の評価になってしまうことで、一般の人から見た画力よりも過小評価になってしまうことが原因で下手に見えてくる。
これが、自分の絵が下手に見える、そして大好きだった絵を描くことが楽しくないという思いに繋がってくる。
絵が下手で楽しくないは上達の鍵!
この項では、この”絵が下手だから楽しくない…”という想いがなぜ、絵が上手くなるには必須の思考なのかを説明していく。
自分が下手な絵の自覚がある。
しかも、それでもまだ絵を描いている。
ということは、絵を描くことが辞められないということ。
絵描きならこんな言葉を聞いたことがあるはず。
"絵は描いていれば上手くなる"
この言葉の意味は、描いているうちに自分の悪いところに気づいて描いていくときに少しづつ修正されていって絵が上手くなるということ。
だけど、これは、描いている枚数によって、期間は何ヶ月になったり、何年になったりもする。
要するに絵が上手くなるにはある程度の時間が必要ということ。
ただ、この上手くなる期間を短くする方法がある。
理論的に考えながら絵を描いていく
こうすることで、描く枚数が少なくても絵が上手くなる期間はさらに早めることができる!
楽しくないから脱却!絵が下手を自覚する
今回は親戚の子供たちの写真を使って似顔絵を描きながら説明していく。
まずは下描き。
自分が描いたものってなかなか悪い点はすぐには見つけづらいもの。
それは主観の視点で見てしまうことによる。
この主観の視点から脱却するには以下の方法がある。
自分の絵を客観的に見る方法
- 絵を写真に撮って見てみる
- スキャンしてPCモニタで見てみる
- 時間を置いて(1週間くらい)見てみる
こうすると、自分の絵を客観的に見れるようになる
でもこれは非常にメンドくさい。
ということで、もっと手っ取り早く自分の絵を強制的に客観の視点で見れる方法を教える。
楽しくないから脱却!下手な絵を裏返してみる!
トレース台がある人はその台の上で、持ってない人は、窓に透かして裏返してみましょう。
デッサンの狂いが大きい人は、この時点でかなり自分の絵のいびつさに気づくことができる。
そして、デッサンの狂いが大きい部分を修正して、裏返して見てみる。
デッサンの狂いがなくなるまで、この工程を繰り返していく。
それを絵を描く作業の中に組み込んでいくことで、次第にデッサン力が磨かれていって裏返してもデッサンの狂いもなくなってくる。
やってはいけないこと
- 絵を反転して使用は×
- 正面絵で片方を描いて反転は×
同じ方向でしか描けないからといって、自分の描ける方向を描いて、反転して使用することはダメ
正面絵はかなり時間がかかるもの
それが面倒だからといって、片方を描いて反転して正面顔を仕上げるのはダメ
これらの方法はその時点では早くていいが、基礎的な画力は上がらないし、こういうことをOKしてしまう精神は将来的に響いてくるから、絶対に仕事は減る!!
これは断言できる
そういう人を何人も見てきているから
長年にわたって絵の仕事をしたいなら、妥協も手抜きもするべきではない!
楽しくないから脱却!絵にペン入れしてもまだ下手?
これがペン入れをしたもの。
これに足りないものがある。
それは、ベタと輪郭。
下手な絵を上手く見せるには
絵というのはバランスにかかっている
そのポイントとなるのが、ベタと輪郭と内線の線の太さ
画風にも寄るけど、全ての線を同じ太さで描くと、線のメリハリがなく下手に映ってしまう
さらにベタを入れることで、画面の中に黒い部分と白い部分のメリハリができるために絵が上手く見える
すぐに絵を上手く見せるにはメリハリを利かせて目の錯覚を狙うこと!
楽しくないから脱却!下手な絵のバランスを整える
輪郭を太くして、ベタを入れた絵がこちら。
だいぶ下手から脱却してきたでしょう。
ベタが重要な理由!
絵を描く上でベタは非常に重要な技術
ベタを入れると視線を強制的に集めることができる
だから、目を魅せたいならまぶたや、瞳にベタを多めに入れる
顔を魅せたいなら、髪をベタにしたり顔の下に影のベタを入れる
細かい背景の中で人物が目立たないなと思ったら、思い切って影をベタにしてみよう!
最後に着色の工程。
着色の工程では、陰影を意識して着色する。
楽しくないから脱却!下手な絵を上手く見せる
この絵が陰影を意識して着色したもの。
絵は奥深く答えはないから、自分でもこうすればいいかも…と思うことは何でも試してみよう!
そこから、きっと多くの自分なりの答えが見つけられるはず!!
楽しくないを脱却!下手な絵を上達させる極意まとめ
- 絵が下手で楽しくないは上達の必須思考!
- 描いた絵を裏返してデッサンの狂いを認識する
- ベタを上手く使って視線を誘導する
上記が、長年絵を描いてきて考えてきたこと。
とはいえ、自分もまだまだ道の途中。
これからもどんどん精進して、何かの気づきがあった際にはこのサイトで共有していくぞ!
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