横山光輝版チンギスハーンのあらすじを徹底解説!
はじめまして。
まんがたいけんです。
遂に登場!!
横山光輝版チンギスハーン。
世界三大征服者として名をはせたチンギスハーンの人生はどんな人生だったのか。
この作品は、モンゴル帝国の話というより、テムジン(チンギスハーン)の一生を描いているもの。
子供の頃より、裏切られ続けてきたテムジン。
義兄弟の契り、父子の契りを結んだとしても、利用し合える間だけの関係ということを痛いほど痛感していた。
13歳の頃に、父のエスゲイが毒殺され幼い身に一族を背負うことになった。
- チンギスハーンとはどういう人間だったか
- モンゴル帝国の礎はどうやって築かれたか
この二点を知りたい人にお勧めしたい作品。
正直、普通のエンターテイメント作品としてはおすすめしづらい。
私も正直モンゴル帝国についてはそこまで知識はないが、そこそこ忠実。
歴史漫画が好きな人は楽しめると思う。
というより、横山光輝漫画が
好きだから楽しめるのかなぁ
ということで、チンギスハーンのあらすじ解説スタート!
横山光輝版チンギスハーンのあらすじを解説!
まんがたいけんは、漫画描きで漫画オタクでもある日時計が好きなガラスの仮面やはじめの一歩の作中シーン、キャラの深堀、その他の作品の気になるシーン、必殺技の再現動画の共有、ジャンル別おすすめ漫画など、漫画好きな人向けの情報を発信しているサイト。
チンギスハーンとは
作品名 | チンギス・ハーン | |
---|---|---|
作者 | 横山光輝 | |
掲載誌 | ??? | 秋田書店 |
単行本 | 全5巻 | 1,020円 |
チンギスハーンは、名前だけは誰もが聞いたことあるだろう。
そう。
アレキサンダー大王、ナポレオン皇帝、そしてチンギスハーンで世界三大征服者と呼ばれている。
この中でも圧倒的な支配地を手に入れたのがモンゴル帝国。
そのモンゴル帝国の初代皇帝・チンギスハーンの生涯を描いた作品。
あらすじ
モンゴル高原には、あまたの部族が存在していて絶えず争いが起こっていた。
敗者の男は皆殺し、女と家畜は勝った者の総取りという厳しいもの。
物語は、ボルジギン族とタイチウト族で構成されるモンゴル族の頭領のエスゲイが高原を走る夫婦を襲うところから始まる。
エスゲイは、高原を走る男女の馬車を見つけ襲い掛かる。
夫は妻に諭され先に逃げ、妻はエスゲイにつかまりエスゲイの妻になった。
モンゴル高原で争いが絶えなかった理由は金国にある。
金国はモンゴル部族の貧しさに目をつけて
餌をぶら下げて部族間の火種をあおっていた
金国は、モンゴルの部族がまとまることを恐れ、一部の部族に恩賞を与えることで部族間抗争を煽り、彼らが決してまとまらないように政策を執っていた。
テムジン誕生
エスゲイと妻・ホエルンの間に子供が子供が宿る。
これがモンゴル帝国の初代皇帝テムジン。
テムジンは、手に血の塊を握り生まれた。
この地方では、手に血の塊を握った赤ちゃんは”多くの人の血を流す”と伝わっていた。
エスゲイは、以前金国と組んでタタール族を責めたことがあり、あるきっかけでタタール族の残党に毒を盛られてしまう。
テムジンは後年この構造を理解し
金国打倒のもと行動していくことになる
自分の死が近いことを悟ったエスゲイは、後事をテムジンに託すべく遠くに預けていたテムジンを呼び寄せるが、間に合わずこの世を去ってしまう。
孤立するモンゴル族
身内の者にも自分の跡をテムジンに託すことを伝えたが、テムジンが幼かったためにタイチウト族が長老たちを抱き込み実験を握り、モンゴル族を残し去ってしまう。
その後、タイチウト族のタルグタイがモンゴル族のハーンに就任し、テムジン一家を襲撃。
テムジンは捕まり、タイチウト族の奴隷にされてしまう。
ところが、タルグタイが頭領になってから、貧しくなりエスゲイ時代を思い出す者も少なくなく、逃亡を手助けしてくれて、一族の元に帰ることができた。
やがて、青年になったテムジンはボルテを妻に迎えた。
メルキトの襲撃
ある時、テムジン一族はある部族に襲撃された。
調べてみるとメルキトだとわかる。
この襲撃で、妻のボルテとエスゲイの第二夫人が捕まってしまう。
すぐに仕返しをしたいところだが、まだまだ勢力も弱く単独では戦えないため、父のエスゲイと義兄弟の契りを結んだトオリルハーンに相談した。
トオリルハーンはすぐに賛同しメルキトを責めることを約束し、その上ジャダラン族のジャムカにも協力を仰ぎメルキトを攻めた。
三方向から攻められたメルキト族はさんざんに打ち破られ、無事ボルテを取り戻した。
メルキトは復讐のために襲ったため
ボルテは下級兵士の、第二夫人は奴隷の妻にされていた
ボルテを取り戻し一安心したのもつかの間、ボルテは妊娠していた。
時期的にテムジンの子の可能性もあるし、メルキト族の子の可能性もあることが、テムジンの心に強く残っていた。
その後、ボルテに男の子が生まれると、その子に”ジュチ(客人)”という名を与え、ボルテは
この子は疑われている…
と悲しんでいた。
その後、テムジンは母に諭される。
母のホエルンは、メルキトの若者の妻だったものをその昔エスゲイに襲われ、エスゲイの妻になった。
それが、今回襲われた原因だったのだ。
男は敵につかまれば殺される。
女は殺されない代わりに、誰ともわからぬものの妻になる。
それが幸せだと思いますか?
ボルテはお前の妻です
可愛がってやりなさい
という話を聞いて思った。
女の存在
歴史を勉強してると、歴史上の女の話はほとんど聞こえてこない。
女自身には何の心もないように扱われてるなぁという。
西洋社会では、奪い合い騙し合いの社会。
そのため、復讐されないために捉えた男は殺して、女は犯して自分の女にする、犯した後に殺すとかは普通にある。
フランス映画のミナという映画がある。
この中で主人公の一人が物語の中で歌うシーンがある。
その中で、”女は男の所有物~”というセリフが出てくる。
そもそも、アダムとイブのイブはアダムの肋骨からつくられたという話がある。
西洋社会では、女の存在はそのような捉え方なのだろう。
それが現代の男女平等につながっている
日本は天照大神という女の神様が最上位。
日本は女性上位の国だったのだ。
だから、男女平等なんて思想は日本には当てはまらない。
横山光輝版チンギスハーンのみどころ
相関図
テムジンの父のエスゲイと義兄弟の契りを結んでいたトオリルハーン。
トオリルハーンは最終的にテムジンを裏切ってしまうとはいえ、ボルテが捕らえられたときは二つ返事で兵を出してくれたり、テムジンとしても組んでる意味はあったということだろう。
ジャムカは最初から最後まで油断ならないヤツ。
こざかしい
みどころ
繰り返される部族間抗争で、どんどん部族は吸収され大きく育ったテムジンのモンゴル族、トオリルハーンのケレイト族、ジャムカのジャダラン族の三つの勢力がしのぎを削っていた。
その中でジャムカはずる賢く、常にテムジンを危険視していろいろと策をめぐらし、あるときはトオリルハーンに近づき、ある時はナイマン族に近づきそそのかして、テムジンに兵を差し向けてくる。
三者三葉のやり方でモンゴル高原の統一を目指す部族たち。
これから、モンゴル高原はどうなっていくのかー
面白シーン
ちょっと、どうしても紹介したいシーンがある。
テンジンにチンギスハーンと名乗るように進言したのは巫者のテム・テングリ。
この時代、迷信が幅を利かせる社会で、巫者の言葉は重要視されていた。
そのテム・テングリはテムジンに次ぐ実力者になっていた。
このテムは、テムジンはテムのことを信用せず重要な役職には就けなかったことを不満に思っている。
そこで増長し、テムジンの弟のカサルの不手際を叱責しむち打ちに処した。
そのことをカサルはテムジンに伝えるが取り上げられず、カサルは不満を抱いていた。
そこにつけ込みテムはテムジンに入れ知恵をして、カサルとの仲を裂こうとしてテムジンも次第にカサルを疎ましく思うようになった。
今度は、テムジンの末弟のテムゲがテムに額づかせられた。
この行為初めて見たけど
面白い!
これ以上ない屈辱を味わったテムゲもまた、テムジンに訴えた。
さすがに、テムが調子に乗りすぎたということで、テムの処遇をテムゲに任せた。
あるとき、テム一族が参内することがあった。
そこで、テムゲが不意にテムに力比べを挑み、テムも受けて立つ。
その光景を見ていたテムジンは争いごとなら外でやれと言って、二人の勝負は外に持ち越される。
外に出たところで、テムゲの手のものがテムをとらえ首の骨を折って絶命させた。
この取っ組み合いしてる光景が面白い。
何度見ても笑っちゃう
おそらくもういい年をしてるであろう大人たちが、力比べをしている。
男は何歳になっても”喧嘩が強い”とか、”お前より俺の方が強いぞとか力を誇示するのかなぁと。
男はつくづくバカである。
総合評価
期待しすぎたのかなぁ。
横山光輝作品は今のところ歴史ものしか読んだことがない。
全体的にそういう雰囲気なのだけど…これはよくない方向に出てると思う。
淡々としすぎてて、キャラが目立っていないというか…
う~ん…
個人的には消化不良…
とはいえ、漫画で大まかな流れが知れるというのはとても有意義で、大切な資料としてあり。
チンギスハーンってよく聞くけど、詳しいことが分からないという人には、大まかな流れを知れる。
まとめ
- テムジンの一生を描いている!
- 5巻だから読みやすい!
- 歴史漫画としておすすめ!
この漫画に、エンターテイメント性を求めてということだったら、はっきりとおすすめしない。
ただ、チンギスハーンってどんな物語なの?といったような、歴史として一通り流れを知りたい人におすすめしたい。
横山光輝なら三国志の方がおすすめかな。
漫画界を応援するまんがたいけんでした。
コメント