絵師をお探しでしょうか?
イラスト、漫画など絵を依頼したいする前に、こんなクライアントは切られる可能性大ですよというお話を聞いてください。
イラストレーターや漫画家も人間なので、こちらの事情を全く考慮しない人とは基本的にかかわり合いたくないものです。
クライアントとしてこの話を頭に入れておくだけでクリエイターとの関係も良好に仕事を進められますよというお話です。
また、新人クリエイターの方も、こんなクライアントは危険だ!という参考にしていただければと思います。
絵師へ依頼するその前に
私は漫画畑出身ですので、漫画描きとしての話をして行きますが、この漫画の部分をイラスト、アニメ、似顔絵など依頼する内容に当てはめて考えていただければと思います。
絵師がやりたいと思う3つ条件
- 制作費がバカ高い
- 安くても大手の仕事
- 安くても好きなもの
制作費が膨大にもらえる場合は、多少のやりづらさはなんとも思いません
といっても、人間性が最悪だと結局断りますが…
多少のストレスはお金が癒してくれます
制作費は安くても、大手の仕事は受ける価値があります
大手だと宣伝力がありますから、多くの人目につくチャンスが広がります
こういう仕事は、元々の目指すきっかけは絵が好きな人が多いと思います
そのため、どうしようもないくらい安くても、やっていて楽しかったり、好きなものの場合はお金に関係なく、気分が乗るのでいい作品ができる可能性が高くなります
絵描きの心情はこういったものです。
その前提を踏まえてこの先も読み進めてもらえると嬉しいです。
漫画を依頼されるときに、ものすごく感じることがあります。
それは、絵師の苦労を全く分かってないなと。
ですが、それは仕方がないことです。
まったく作業をしたことがないので、そこにどれだけの労力がかかっているかというのは、わからないのも当然です。
私からすると、編集さんってどんな仕事してるんだろう楽なんじゃないかとか考えちゃったりすることもありますが、おそらく色々やることがあって大変なのだと思います。
まずは、漫画を描くのにどれだけの作業と費用が必要かをお伝えします。
依頼後の絵師の必須作業
依頼内容の詳細把握 | |||
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作業量 | |||
あまり時間を要しません | |||
プロット作成 | |||
作業量 | |||
長編の場合、いきなりネームに入ると大幅に修正することになるので、ネームの設計図としてプロットを作成する作業が発生します | |||
資料集め | |||
作業量 | |||
漫画家のタイプによって、資料がないと絵がイメージできない人もいて、そういったタイプの方はネーム作業の前に資料集めをします
私の場合は、詳細なイメージがなくてもネームが描けるので画像資料集めは下描き前の作業です |
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ネームの作成 | |||
作業量 | |||
これが一番頭を使う作業で時間がかかる作業です | |||
下描きを描く | |||
作業量 | |||
頭を使うことはないのですが、作業量はとても大きくとても時間のかかる作業です | |||
ペン入れ | |||
作業量 | |||
下描きの清書なので、そんなに頭は使いませんが、それなりに時間を使う作業です | |||
消しゴムかけ | |||
アナログ作業量 | デジタル作業量 | ||
アナログ作業の場合、ペン入れ後必ず発生する作業でかなり疲れます 筆圧が強い方の場合、消しゴムかけも強くしなければ消えないので嫌になってきます デジタル作業の方はワンクリックで完了するので、ここはアナログ作業者とデジタル作業者の大きな違いです |
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仕上げ(トーン貼り) | |||
アナログ作業量 | デジタル作業量 | ||
モノクロ原稿では、ペン入れ後にスクリーントーンを貼ります 時間は計っていないですが、アナログ作業の方が多く時間を使う作業です |
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着色(仕上げ) | |||
アナログ作業量 | デジタル作業量 | ||
モノクロ作業の方が若干早いと思います
デジタルだとどこまでも拡大するので細かな点に気づきやすくなります |
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写植 | |||
作業量 | |||
クライアント様によるのですが、写植、タイトルまで作ってくれといわれた場合に写植作業が発生します 作業時間はそんなにかかりませんが、誤字脱字があると修正対応しなければいけないので、神経を使う作業です |
作業工数とそれにかかる時間を星で表現してみました。
星が多いほど、作業工数と時間を必要とします。
漫画を制作するのに、これだけの作業が必要となります。
天才絵師以外は膨大な資料が必要
絵を描かない人にとっては、絵って何も見ずにサラサラ、サラサラと描いているイメージかもしれません。
ですが、実際には、何も見ないで何でも描ける絵師はほんの一握りです。
同じものを一年中描いている方は、その対象物の構造が完全に頭に入っているので、資料がなくても描けるようになります。
ですが、たいていの天才ではない絵師や漫画家は、資料がないと絵は描けません。
最悪一枚資料があれば描けますが、色んな角度からの資料を見て、その対象物がどんな構造かを理解して初めてリアルな絵を描けるようになります。
資料が少なく、構造がわからない場合は、わからない部分は、ベタで潰したり、あれこれ工夫しておかしくないような見栄えになるように絵を描きます。
私のところで、原稿を手伝ってくれている、スーパー漫画家兼スーパー背景師の方がいます。
このレベルの絵を描く方でも、一本の漫画の依頼があると、1日は資料集めに使うといっていました。
それくらい資料は大切なものです。
絵師が制作に必要費用はいくら?
漫画やイラストを制作する上で、背景などは自分で描けるものは描いたり、以前描いたストックの背景を使用したりしています。
自分で描けないもの、忙しくて自分で描けない、または、自分じゃなくてもいいもの(背景など)は外注に発注することで自分の時間を作ります。
この外注への制作料金は依頼された中から捻出することになりますので、腕の立つ方に外注するとなるととても大きな費用が発生します。
このように、とても膨大な時間と費用を使って漫画家は漫画を制作しています。
正直な話、モノクロ8,000円、カラー10,000円はクライアント様からすれば1Pでそんなに高いんだと思うかもしれませんが、どんなに効率化しても赤字は免れません。
最低でも、1P15,000円もらってやっとトントン位の報酬になるといった費用感です。
漫画に関する制作費の考え方について何本か記事を書きましたので、興味があったら以下の記事も読んでみてください。
漫画を制作するのに必要な料金を考察↓↓↓
漫画の原稿料について考察したら闇が…↓↓↓
漫画制作の大変さと理解力について
企業からの依頼は結構大変です。
大半の企業は、漫画やイラストを発注したことがないために、漫画を描くのにどれだけの時間がかかるのかを理解できていないのです。
そのため、ネーム、下描きなど各工程でチェックに出してOKは出していても、完成データを見て修正希望が出てきます。
色の変更や、ちょっとした描き足しなら大した時間はかからないのでいいのですが、コマ丸ごと描き直しや、1P丸々描き直しなどのように大幅に時間がかかる修正が出てくることも珍しくありません。
それならそれで、修正にかかる費用をいただければ修正するのはいいのですが、70%のクライアントさんは修正費用を嫌がります。
そこでまた新たに相談することになります。
無料で修正できるボリュームはこれくらいで、これ以上の修正となると修正費用が発生しますがどうしますか?というような。
と、色々申してきましたがここは仕方がない点もあります。
慣れていないために、ネームやテキストでは、頭の中にイメージが全く描けないということになっているのだと思います。
文章を脳では理解出来ていても、出てきた絵が思っていたものと違うというところで、新たな修正が発生してしまうのです。
この部分については、クリエイターさんと話題に出ることもありますが、結論は出ません。
おそらく多くのクリエイターさんも答えが見つからないのだと思います。
ここは、私も含めて絵師側がちゃんと、修正が発生しないようにもっと考えていかなければいけない部分です。
依頼でわかる仕事ができる人できない人
仕事のできる人と仕事をすると何のストレスもなくスムーズに制作が進行していきます。
そのため、また取引したいと思うため、絵師側がいいものを創り続けられればその関係は続いていきます。
ですが、仕事のできない人は、戻り作業も多いし、見落としもおおくてその企画が終了するまで二度手間、三度手間が発生して遅々として進行が進まないため、大きなストレスとなります。
今まで取引してきたクライアントで仕事のできないなと思ったものを上げていきます。
仕事のできない人の特徴
- 返信が遅い
- 金出すんだからやれやスタンス
- 制作料金は格安そして値切る
- 修正がエンドレス
- 修正費用はなし
- スケジュールがキツキツ
返信が遅いため、修正を防ぐためには返信が来てから作業に取り掛かるため、どんどん時間が押してきます
たまにいるタイプの王様クライアントさんです
金を出してるんだから文句言わずにやれやというタイプです
私が一番嫌いなタイプのクライアントさんです
1億も2億ももらえれば別ですが、多少制作費が高い程度では心はみじんも動きません
できない人に限って、格安な料金で相談、そして制作費を値切ってきます
仕事がない場合は、それでも請けますが、仕事が入ってくるようになると真っ先に切るリストに入っています
慣れてない分野だから仕方のないことではあるのですが、できたものに対して意見が出てくるため修正がエンドレス状態になります
相場より高い費用をもらったとしても、エンドレス修正モードに入ると割に合わない仕事となってきます
修正依頼は出すけど、修正費は出さないということも多いです
こちらも仕事としてやっている以上、あまりにもなボリュームな場合は、修正費用をいただかないとド赤字となり、何のためにやっているんだろう状態に陥ります
制作費も安くて、スケジュールもキツいとなったら、絵師は請ける理由がありません
恐ろしいことに、すべてコンボのクライアントさんが存在するんです。
初心者絵師さんは、少しでも危険を感じたら業界の先輩に話して危険度具合を測って、危険度MAXの場合は全力で逃げましょう。
関わっていてもいいことはありません。
色々行ってきましたが、修正が嫌とか、制作費が安いからやりたくないといっているわけではありません。
ちゃんと相手の立場も考えてほしいと言っているのです。
絵師も人間ですから心もあります。
仕事のできる人の特徴
- 返信が早い
- 依頼前の必要制作費の確認
- 常に先回りして考えて動く
- 鋭い
返信の早い人は、スケジュールをちゃんと理解していて、ここで止めていい問題かどうかの判断基準が性格なので、スムーズに作業が進められます
制作を依頼する前に、その依頼に対して必要な制作費を確認してくれます
常に先のことを考えているので、後々問題になるかもしれないお金の問題はちゃんと前もって潰しておくのでとても安心して取引できるタイプのクライアントさんです
先回りして考えられるから、見落としや二度手間、三度手間がなくなるので作業効率も上がります
話していても、意見が鋭いので刺激になっていいアイデアが浮かびやすいですね
その仕事が終了するころには、仕事ができる人かできない人かの判断ができます。
そして、仕事のできない人となった場合、取引の縁を切るリストに入ります。
といっても、仕事ができなくても憎めない人もいて、仕事を請けるときもあったりするので、結局人間性が一番大きいかもしれません。
依頼時の絵師が喜ぶ3つの条件
- 返信が早い
- 依頼前に制作費の確認
- 疑問は残さず解決させる
返信が遅くて悪いことは一個もありませんので、返信は早い方が進行もスムーズになります
依頼前に、その案件の制作費がどのくらい必要かを相談する
疑問を疑問のまま残しておくことが、後々の修正につながってくる可能性が高いです
そのため、ちょっとした疑問でも、そのままにはせずに絵師と話し合ってその都度納得していくことが大切です
3点に絞りました。
あとは、相手のことを常に考えるということも非常に重要です。
絵師への依頼の流れ
- 絵師を探す
- 絵師を決めて連絡
- 正式に絵師に依頼する
絵師の探し方がわからない方は、以下の記事が参考になるかと思います
イラストレーターの探し方ですが、漫画にも置き換えられます
イラストの制作者を素早く探す方法↓↓↓
気になる絵師が見つかったら、制作費と納期の相談に入ります
制作費と納期の折り合いがついたらいよいよ正式に絵師へ依頼します
Edecooでは、おすすめの漫画家、イラストレーター、似顔絵師などを厳選しています。
記事の最後にリンクを貼っておきますので見てみてください。
格安に依頼できる厳選絵師へジャンプ。
漫画の広告効果のホントのところ
漫画を依頼するにあたって、果たして広告効果は本当にあるのだろうか?
時になったことはありませんか?
そう思うのも当然です。
私どもは、広告漫画の効果についても調査してみました。
漫画広告を上手く活用して儲けを増やした企業がありました!!
漫画の広告効果は絶大だった!↓↓↓
絵師に格安に依頼したい
今まで絵師の苦労について、つらつらと書き綴ってきましたが、苦労は理解できたけど…
起業したばっかりで、どうしてもお金がないということもあると思います。
そんなクライアントさんのためにEdecooでは漫画を格安に制作する方法についても考えてみました。
格安に漫画を制作する方法は↓↓↓
絵師に依頼する前の3つの心得まとめ
- 絵師の必須作業を理解してほしい
- 漫画の制作費は最低でも15,000円は必要
- 返信は早く
- 依頼前に制作費の確認
- 疑問は残さず解決させる
絵師に依頼する際に、3つのpointを気を付けることで、さらなる費用を抑えられる可能性が高くなります。
参考にしていただければと思います。
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